プラズマコイです(^^)
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今回は橘玲さんの著書「上級国民/下級国民」を読んだので、書評、レビュー、要約をしていきたいと思います。
橘玲さんの本は、非常に学びになる事が多いですが、
結構読むのが大変だと思うので、わかりやすく解説します。
日本、米国で国民の「上級」「下級」の分断が置きている!その内容と理由を解説!
- 日本が貧乏になり「下級国民」が誕生
- お金に関する「上級/下級」
- モテに関する「上級/下級」
- 中流の崩壊による「上級/下級」の分断
ちょっと長い記事になりますが、よろしくお願い致します^^;
日本が貧乏になり「下級国民」の誕生
平成の30年間は一言でまとめるなら「日本が貧乏になった」30年です。
証明として国民の豊かさの指標である「GDP(国内総生産)」がどんどん下がっています。
日本の会社員は世界一「会社を憎んでいる」
日本のサラリーマンは先進国の中で、以下の3つの要素が最悪です。
日本のサラリーマンは・・・
- 世界一の仕事嫌い。会社を憎んでいる。
- 世界一の長時間労働
- 世界一、労働生産性が低い(長時間労働なのに)
「社員満足度=生産性」だと思っています。
精神論は置いておくとして、なぜ日本の生産性は下がってしまったのでしょうか?
個人レベルの能力テストでは、海外に比べて劣ってはいません。
つまり「日本人の働き方、日本の社会の仕組み」が間違っているのです。
お金に関する「上級/下級」の誕生
平成の30年間はバブル崩壊後の「団塊の世代の雇用を守る30年」でした。
これは本書で最も感銘を受けた部分で、ツイートもしています。
今読んでる本は「上級国民/下級国民」
— プラズマコイ@大企業で好きに生きる (@purazumakoi) August 14, 2020
特に気になった部分の引用です。
✅平成は「団塊の世代の雇用を守る30年」だった
✅令和の前半は「団塊世代の年金を守る」20年になる以外ありません。
選挙の投票をするのは主にこの世代ですからね?#読書 #橘玲https://t.co/uDDEzf48Yq
平成の時代に日本で何が起こったのでしょうか?
海外に工場を移した事による「報酬の低下」
バブルが崩壊して日本経済が減速した時、日本は工場の閉鎖が相次ぎました。そうして海外の安価な労働力で生産を行うようにしたのです。
ここで問題なのは「生産性の高い工場」もコストカットの為に海外に移設してしまったのです。
企業としては「年功序列・終身雇用」を守るための苦肉の策だったのかもしれませんがこのようにして日本の産業が「報酬の高い製造業から、報酬の低いサービス業」になり、雇用もそちらに移ってしまいました。
その際、新卒採用を停止したことにより、若年層の雇用も奪われ貧、乏な日本人が大量発生しました。
「年功序列・終身雇用を守る事」が日本に課せられた足かせだったんですね。
これにより日本経済の実質GDPが6%減少したと本書では書かれています。
IT投資はしているが、投資の効果が少ない
日本の生産性が低い理由の一つとして「IT投資の効果が少ない」事が挙げられます。
IT投資の目的は人間の仕事を「機械にアウトソースする事」により生産性を向上させることですが、
日本は終身雇用を守る必要があるため「機械にアウトソースが出来なかった」のです。
また日本は、ITを導入する際、組織改革や社員の訓練を習熟するのではなく、自分たちの商習慣に合わせるようにソフトウェアをカスタムする方法を選びました。
結果、日本ではIT導入による以下3つの生産性アップができませんでした。
日本はIT導入しても・・・
- 組織の合理化ができない
- 労働者のITリテラシーが向上しない
- 企業間のソフトウェアの知識の共有、交換がない
現役の大企業社員としては、激しく同意です!
日本は「おっさん」の既得権を守ってきた
2018年に安倍首相が「同一労働同一賃金」を宣言ました。
団塊の世代が引退をして、政府としてもやっと念願の「働き方改革」を進められるようになったというのが実情です。
平成の30年は団塊の世代の雇用を守るために「同一労働同一賃金」が出来なかったのです。
そして起こった事と言えば、子供世代の「団塊ジュニア」の雇用破壊です。
問題を先送りにしたツケが回ってきたのです。
「働き方改革」は、使えないおっさんの既得権益を打破して、最近の若者は・・・と言われてしまう若者に、今まで与えられていなかった「働く機会を与える」事が目的なのです。
団塊の世代が引退して、やっと若者にチャンスが生まれ初めてきました。
※実感としては、まだ最後の灯火は残っています。
「中高年が若者の雇用を奪っている」とメディアが言えない理由
ここまで読むと「手厚い既得権益にしがみつく中高年」が若者の雇用を奪っている事がわかりました。
しかし新聞、テレビと言ったマスメディアが「ニート、フリーター」と若者をバッシングする様に報道していた理由はなぜでしょうか?
新聞やテレビを見ている層ってどこだと思います?(笑)
新聞やテレビを見ている層が中高年だからです。
選挙に積極的に投票に行くのが中高年だからです。
各社も営利目的の民間企業ですから「お客様の不都合な真実を報道することができない」のです。
そこから令和の最初の20年で行われる事が想像できます。
高齢者の「年金と、社会保障を守る」20年ですね。
2040年を過ぎれば高年齢層は徐々に減っていくので、それまで以下のような対症療法で粘ろうというのが現状の日本の方向性です。
日本はお年寄りの年金を守るために、多分・・・
- 医療保険、介護保険が払いきれなかったら、給付の額を減らす。
- 年金が破綻しそうになったら、保険料を上げる
- それでもダメなら、消費税を上げる
多くの若者が貧乏になる未来が・・・
日本は国としては存続したとしても、どんどん貧しくなっていくというのが今のシナリオです。
モテと非モテによる「幸福度」の分断
日本の豊かさの指標として人々の「幸福度」があります。日本は幸福度ランキングでも低い事が指摘されていますね。ここでも上級、下級の分断が生まれています。
その中で、幸福度はモテ要素が大きく関係をしてきます。
ただ、我々の一般通念よりモテは深いのです。
「モテる」の語源は「持っている」です。
— プラズマコイ@大企業で好きに生きる (@purazumakoi) August 15, 2020
僕も含めて、みんなモテたいですよね?
では何を持っているのか?おわかりですね?
・容姿(美男美女)
・お金(衣食住を満たしてくれる)
・思いやり(安心)
人間の欲求に密接に関係してくる力が強いのを持っている人がモテるんですね☺️
「モテる」の語源は「持っている」だと言われていますが、
何を持っているのでしょうか?
人類進化学の観点から、モテるとは?について深堀りしていきましょう。
人が持っているとモテるものは「資本」です。
女性、男性のモテについて歴史的な背景から詳しく解説していきます。
※今が歴史的に見てどれだけ平等でなのかも解りますね。
女性の資本は「エロス資本」と「同性とつながれる力」
女性は男性に比べて全体的にに幸福度が高いという調査結果があります。
理由は以下の3つではないかと本書では考察されています。
なぜ女性は男性に比べて幸福度が高い?
- お金を稼がなくても幸せになれる(金を稼ぐのは男の仕事だから)
- 若い世代は「エロス資本」があるのでモテる(男に奢ってもらえる)
- 壮年になると同世代と「つながる力」があるので不満が貯まりにくい
若い女性の最大の資本は「エロス資本」?
女性の持つ資本として「エロス資本」があります。
若くて魅力的な容姿というのは、いつの時代もお金に変えられる人的資本です。
(アイドル、女優、風俗店、パパ活など、どの時代でも存在します。)
エロス資本は「若さ」と密接に関わるので、期間限定な資本です。
毎年の様に、自分より若い子(競合相手)が誕生します。
そのため女性は「若いうちに結婚しなければ」と思うのです。
女性は男性に比べて「若さを維持するために」美容にも気を配りますね。
壮年女性でも幸福度が高い理由は「同性とのつながり」
女性の幸福度がエロス資本に依存するのであれば、壮年の女性は幸福度が落ちるはずですが、そうではありません。
その理由は、女性は「同性でつながる力があるから」です。
ママさんネットワークがあれば寂しくなんかない!
男性の資本は「お金」次に「肉体」
人類進化学の観点からは、とにかく精子を植え続け「乱交」をするのが男性の目的であり、女性は脅威から自分や子供を守ることができる「強い男」を求めてきました。
資本主義の今の世の中の強い男とは「お金持ち」です。
またDNAに染み付いた習性として、外的から身を守ってくれる強そうな「格闘家」や「土方」といった、肉体を使った仕事の人が「カッコいい」と見られます。
※土方をカッコいいと思うのは、高卒や中卒の女性に取ったアンケートで出ています。
中流の崩壊による「上級、下級の分断」
人類社会の歴史からみたら「自分の人生を自由に選択すること」が出来るようになったのは1960年以降のほんの最近です。
それまでは、日本で言う所の「士農工商」といった歴然たる身分制度でした。身分の「上・中・下」がハッキリと決まっていたのです。
しかし、資本主義経済が導入され、資本を持つ者はどんどん富を得て、資本を持たない者はどんどん貧乏に向かうことになりました。
これによって、経済的な格差が生まれました。
これは今後も続いていきます。
日本の、税金収入の推移のグラフがありました。
これがどういう事かと言うと割合的に「一般庶民の負担が増えている」という事です。今から30年前の1989年と今を比較すると以下の事が言えます。
事業者の税金は減り、労働者の税金は増えている。
- 所得税・・・高所得者の税金負担は減っている
- 法人税・・・事業者の税金負担は減っている
- 消費税・・・一般庶民の負担は増えている
お金持ち、社長さんは楽になり、会社員は貧乏になる・・・
これが今の日本経済の実態なのです。
資本主義による「究極の自己責任」の時代
日本経済の実態として、弱きものは搾取されつづけるという悲しい事実が判明しています。
ここからは「ではどうすれば良いのか?」について具体的に紹介してきます。
✕・・・国に文句を言う
○・・・資本家側に回る
ここまでは資本主義の闇の部分をフォーカスしてきましたが、
ここからは、資本主義の光の部分「自由経済の可能性」を見ていきましょう。
「自由経済」が可能な現在は、IT技術も浸透してきており、人的資本(自分の能力)だけでお金を稼ぐ事ができます。
そして、誰でも株式を購入することが出来ます。
この様にして、搾取される労働者から、少しずつ「事業家、資本家」にシフトしていくことにより、豊かな生活を過ごす事は可能です。
今後の「働き方」のトレンド
世界は「グローバル化」「知識社会化」が進んでいます。
資本を持っている者が、その資本を活かしてもっと資本を持つようになります。
要するに、金持ちは今後もっと金持ちになるんです。
今の職業の種類は3つに分類される
アメリカの、ロバート・ライシュという経済学者が1991年に出した本で、アメリカの未来を予言しました。
ロバート・ライシュは職業は今後3つの種類になると予言しました。
職業には3つの種類がある
- ルーチンワーク(工場などの繰り返しの単純作業)
- 対人のサービス業
→ホテルやレストランの従業員、会社や病院の受付、客室乗務員など→ - クリエイティブクラスという、機械にはできない、そもそもの問題の発見、解決をする仕事
→ エンジニア、投資家、法律家、コンサルタント、アナリスト、マーケティング、記者、大学教授、映画の製作者
そして2020年の今、それはアメリカだけではなく、日本に置いても現実のものになりつつあります。
この3つの種類は今後安心なのでしょうか?
安心ではありません。
3つの職種は大丈夫なのか?
- ルーチンワークといった単純作業は、機械に奪われていきます。
- 対人のサービス業も、ITの進化により、人間の労働力が不要になってきています。
- クリエイティブクラス(問題を生み出せる人)だけが、今後豊かな生活を送る事ができると言われています。
現在、富の集中が起こり、アメリカでは米国の個人資産の42%を上位1%の人が有しています。日本でも同じような事が起こっていますね。
【まとめ】お金持ち、貧乏の格差は今後も広がる
最後にこの記事のまとめです。
悲しい現実として、お金持ち(上級)・貧乏(下級)という格差は広がるようになっている
- 日本という国はどんどん貧乏になっている
- 団塊の世代の年金までは守られる見通し
- その先は「資本を持つ者だけが豊かな生活を送れる」
- 株や事業など、今行動して自由経済を生き抜く必要がある
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関連コンテンツです。
幸福度をあげるためには「寛容度」が関係してきます。
今の日本企業は、社員満足度が上がらないような仕組みになっています
【本書では触れられいないが思うこと】
モテの定義として、人類進化学としては以下とされています。
本書にはイケメン、美人が有利という表現は(覚えている限り)されていません。
容姿は、最重要ではないという事なのでしょう。