こんにちはプラズマコイ(@purazumakoi)です(^^)
今回は生産性をあげるために「管理をゼロ」にした、株式会社ソニックガーデンの倉貫義人さんの本を要約、解説していきます。
2019年に発行された本ですが、コロナウィルスの流行によりテレワークや新しい働き方が注目されている今こそ皆さんにも触れてほしい内容です。
ソニックガーデンさんといえば「納品の無い受託開発」というビジネスモデルで有名です。
本書には次世代の組織についてのユニークな活動が書かれています。
- 社員が「自分で考えて主体的に動ける」組織の作りかた
- 最高の生産性をあげるには「優秀な社員」と「優秀な社員になるための環境」が必要
- 一般的な組織と「逆」の発想で、しかも合理的な組織運営のテクニック
それでは、いくつか書籍の内容をピックアップしたいと思います。
結論:最高の生産性を目指すために「管理ゼロ」の組織を作る
最高の生産性を目指したら
答えは「管理ゼロ」の組織でした。
本書の結論としては、ここの3点につきます。
- 「管理をゼロ」にすれば無駄がなくなり、個人の生産性もあがる
- そのため管理をゼロにしても、セルフマネジメントができる優れた人を雇う・育てる
- セルフマネジメントが出来て自律的に動ける才能がある人を採用する。
つまり、優れた才能を持ち、自律的に動ける人を採用できれば「管理ゼロ」でも上手くという理屈です。
それでは詳しく解説していきます。
【一般的な企業】多くの企業は「優秀ではない人が多い」ため、「管理」をする必要がある
本書の内容に入る前に、一般的な組織はどういう考えのもとで運営されているかを押さえておきましょう。
多くの組織ルールは性悪説に基づいて設計されています。
要は「社員全員を優秀にするのはムリ」という前提からきています。
縦割り組織の「根っこにある思想」
- 「サボる人・無能な人をいかに上手く働かせるか?」という前提
- 「有能な限られた人間が、行動を決めて」余計なことを考えさせない
- 「結果的に、ミスがなく効率化をできるようにする」
そのため、組織のルールは社員が黙って言う通りに動くように仕組み化されています。
大企業など、組織が大きく、多くなればこれが一つの正解でしょう。
経営者など「優れた一部の人が、組織全体を導く」というのが、ビジネスにおける一般的な組織論です。
そのため会社員は「命令通りに動く」ことを第一に求められるのです。
そのため「自律的に動ける」ところまで成長する人は多くはありません。
それではソニックガーデンの「社員が自律的に、主体的に動けるようになるための仕組み」について紹介していきます。
ソニックガーデンは「上下関係」をなくした
社員の主体性を高めるためには「上下関係」をなくす
ソニックガーデンは一般的な組織のような社員が「命令通りに動く」という大原則を覆す方法で生産性を高めようとしています。
一般的な企業と、ソニックガーデンは目的が違う
- 一般的な企業:「①命令通りに動く ②効率をあげる ③たくさん働かせる」ことにより生産性をたかめる
- ソニックガーデン:「①自律的に動く ②生産性をあげる ③空いた時間を自由につかう」ことにより人生を充実させる
一般的な企業が「ヒエラルキー」という上下関係をつかって、命令に従わせる形で組織を運営します。
しかしソニックガーデンは「ホラクラシー」という上下関係のない組織を作ることにより、社員の主体性を高めるようにしています。
社員が「やる気」を出すためには「作業」ではなく「仕事」が必要
単純作業は「作業」
創意工夫がいるものは「仕事」
生産性を高めるためには「作業」と「仕事」の違いを把握しておく必要があります。
作業は「考えない活動」で、仕事は「考える活動」ですね。
作業と仕事の違いは?
- 作業・・・事前に決められた手続きにそって行う活動
- 仕事・・・どんな価値を提供するかを考える活動
あなたの業務は単なる作業で終わってませんか?
もしあなたが管理職なら、社員を単なる「作業者」として命令していませんか?
組織によって正解はことなりますが「作業」と「仕事」の区別を明確にしないと、
ほとんどの社員は「作業に追われて業務時間が終わる」ことでしょう。
単なる作業者としての「受託脳」から価値を生み出す「提案脳」で仕事の質をあげる
「提案脳」を持つ人のほうが「受託脳」の人よりレベルが高いです。
本書のなかで楽に成果をあげるために「どんな価値を提供するか」を見直すというフレーズがあります。
そこで出てくる考え方に「受託脳」と「提案脳」があります。
「受託脳」と「提案脳」の違い
- 受託脳・・・「発注者に決まった正解がある前提」で細かい部分まで答えを質問し続ける
- 提案脳・・・「発注者には目的が決まっているだけ」でそれを解決する方法を提案してほしいと考える
プラズマコイの実体験からも「受託脳」の会社と「提案脳」の会社は明確にアウトプットの質が違います。
また、提案脳の会社は高い料金を請求できます。
「考える」というプロセスの分だけ、発注者に楽をさせられるから価値が高いのです。
師匠、弟子の形で「育つ環境」を作って「一方的な教育」をなくす
座学では自律型の人財は育ちません
本書では、目的が曖昧な一般論の研修はあまり効果がないと指摘されています。
つまり「教育をなくす」のです。
そのための3ステップを紹介します。
人が育つための3ステップ
- やってみせる
- やらせてみせる
- フィードバックする
まずはこの3ステップで「師匠と弟子」の関係で教えてあげて「育つ環境」を作ることが必要ですね。
逆に言うとここまでしないと人は育たないという事ですね。
もっと細かく書くならば、山本五十六さんの「教育のスタンス」に関する有名な名言がありますね。
管理職の悩みに対する、山本五十六さんの名言
- 部下が動いてくれない
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ」 - 部下が成長しない
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」 - 部下に完全にまかせられない
「やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
ここからも、人を育てるのには手間と労力がかかることがわかります。
組織が大きくなってきたら、ヒエラルキー型になる理由もわかりますね。
プラズマコイ的には、今はYouTubeや読書など、個人が費用をかけずに独学で成長することも可能だと思うので、だからこそソニックガーデンのような「生産性を上げてスキルアップの時間を確保する」ことも重要なことかと思います。
【まとめ】「究極のマネジメント」である「管理ゼロ」組織を目指して
「管理をなくすことが究極のマネジメント」
※本書より引用
スモールビジネスならではという前提がありますが、
「管理をなくすことを軸にした組織づくり」というユニークな発想ですが非常に共感できました。
この記事のまとめ
- 一般的な企業は「管理」をして人を効率的に働かせる必要がある
- ソニックガーデンは「少人数」「小規模」を前提として「管理ゼロ」により最大の生産性を実現
具体的な「管理ゼロ組織」への取り組みは
- 「上下関係」をなくした
- やる気を出すために「作業」ではなく、価値の高い「仕事」をするようにした
- 単なる作業者としての「受託脳」から価値を生み出す「提案脳」で仕事の質をあげた
- 師匠、弟子の形で「育つ環境」を作って「一方的な教育」をなくした
本書は「中小企業の経営者の方」や「30人程度の部署」など、
「新しい組織のかたち」に興味があるかたにおすすめです。
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