こんにちはプラズマコイ(@purazumakoi)です(^^)
今回は2021年7月に上場廃止見込みの「オンキヨーホームエンターテイメント」についてとりあげます。
悪い会社の決算事例として見ていこうと思います。
他にも決算や、IR情報の端々から、
なぜオンキョーの業績がこれほど悪くなったのか?を個人的に予想します。
オンキョーの業績は右肩下がりだった
時代の変化に対応できませんでしたね
オンキョーの業績は以下のTweetでまとめました。
上場廃止見込みのオンキョー(6628)。
— プラズマコイ@財務分析が好き? (@purazumakoi) May 23, 2021
決算を改めて見ていますが、ボロボロです?
この10年でまともに利益が出ている年がほとんどなく、上場廃止をしてからも厳しい戦いが予想されますね? pic.twitter.com/t13s8FP4tf
20年前には「ミニコンポ」といった、4万円〜8万円くらいのオーディオ機器を多くの家で持っていましたが
今はその主役がAirPodsに取って代わられています。
オンキョー製品は、高価格帯の商品では強みがあるものの、
既存事業の縮小や新規産業への取り組みがうまく言っていません。
総合的に見て、業績はかなり悪い状態となってしまいました。
「オンキョー」の3つのセグメントは軒並み右肩下がり
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そもそも高付加価値のもなので、不況が来ると売上も落ちそうですね
「オンキョー」の売上はほとんどが「ホームAV事業」でした。
しかし同時に赤字幅も最も大きいセグメントです。
ホームAV事業は「シャープ」に事業売却するというIR情報がでています。
その資金を借金返済に当てるということですね。
今後はアニメや企業とのコラボ商品や
OEM事業に注力して事業再生を目指す
オンキョーの主な事業セグメントは大きく3つ
- 【売却】ホームAV事業
家庭での音楽機器の販売 - デジタルライフ事業
高付加価値のワイヤレスイヤホンなど - OEM事業
他ブランドへの製品・技術提供
※ホームAV事業は売却が決定
今回は「オンキョー」について、分析していきたいと思います。
チェックは「IR BANK」で行う
今回紹介されている方法は、IR BANKの「決算まとめ」から確認ができます。
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オンキョーの売上、利益をチェック
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特にこの2年の減少が顕著
この10年で売上はアップダウンを続けていましたが、利益がほとんどでていません。
会社経営の苦悩が垣間見られる数字です。
ホームAV事業で売上をなんとか保っていましたが、
それもこの2年は瓦解してしまった印象です。
オンキョーの営業利益率
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ほとんど利益がでていませんでした。
業種ごとで異なりますが、日本全体の市場平均は7%です。
「オンキョー」の営業利益率はほとんどマイナス。
過去を見てみても、間違っても投資をしてはいけない会社でしたね。
もっと早く、不採算事業を精算して、スリムな事業になる判断が必要でした。
しかし経営者としては、思い切った判断ができなかったということでしょう。
オンキョーのEPS(一株当たり当期純利益)
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EPSもボロボロ
EPSは個人的に「上昇中であるか、もしくは100円」が一つの目安です。
「オンキョー」のEPSは上昇どころか毎年のようにマイナスでした。
このように10年間の数字を見ると、
これだけマイナスでも長く事業継続を出来たことのほうが驚くべき事かと思います。
オンキョーの自己資本比率
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ここ5年は一桁でしたね
「オンキョー」の自己資本比率は、やはり業績が悪すぎて悪化の一途をたどっていました。
金融業でもないのに20%を切っている会社には投資しないというルールを定めても良さそうです。
営業活動によるキャッシュフロー
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全く事業がうまくいっていません
「オンキョー」の営業CFは安定赤字で、全くダメですね。
営業活動で、現金を稼げていないので、毎年の業績は非常に厳しいものです。
これでは資金繰りが悪くなり上場廃止になるのも必然です。
既に債務超過ですので、このままでは倒産になることも想定内になっています。
オンキョーの現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性)
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数年前から背水の陣でした。
次に見ていきたい項目は企業が保有する「現金など」です。
「オンキョー」の現金は・・・100億円あって、余裕を持っていた時期は今や昔。
2021年はとうとう4億円にまで減ってしまいました。
もう”待ったなし”ですね。
その結果の、主力である「ホームAV」事業の売却ですね。
当期純利益は配当金をまかなえるか?
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「オンキョー」の利益は毎年のように赤字です。
ここまで見てきたように、まずは大きくコストカットをしないと、未来に希望がないように見えますね。
「オンキョー」の株価は?業績が悪い時はどうだったのかを見る
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最後に、過去5年の株価をみてみましょう。
2017年には期待から株価はあがっていました
2017年には株価が1450円まであがって、回復期待が高まっていましたが、
そこからはナイアガラの滝のように下がっています。
決算が悪い銘柄は買ってはいけないということを教えてくれますね。
「オンキョー」はどうするべきだったのか?今後どうすべきか?
変われない会社は、
買われないという事例
最後に、「オンキョー」はどうするべきだったのか? 個人的に分析をしていきたいと思います。
また、今後どんなビジネスにフォーカスをすべきかを考えていきます。
技術や音質にこだわりすぎるべきではない
もはや「音質の良さ」だけで勝負する時代ではない
おそらく今も、会社の伝統として「音」だけには妥協できないというスタンスを感じます。
これは個人的には非常に共感できる所です。
今回調査した際の、各種ネット記事やIRの記述内容から以下の想いを感じました。
「音質にこだわれなかったらオンキョーではない」というアイデンティティは大切にするべきだとは思います。
一方、需要がない品質を過剰供給してもビジネスは成立しません。
今の日本は、嗜好品を買えるほど豊かではないのが実情です。
家庭での音楽機器では「iPhoneとほぼセット」のAirPodsが強いです。
それ以外も海外の安価な製品で音質は十分という時代背景があります。
つまり一般人向けの音楽機器ビジネスでは既に競争力はありません。
これはオンキョーに関わらず、ほとんどの日本企業で同じ事が言えます。
過去には「ウォークマン」で一斉を風靡したソニーも今は「映画・ゲーム」といった別の事業で利益を上げています。
まずはOEM事業、医療用などの産業機器で活路を見出すべし
技術が求められる産業での利用を目指す
ではオンキョーにとっての別の事業とは何でしょうか?
音楽機器の技術を活かせる新しい「ブルーオーシャンなマーケット」を発見できればそれに越したことはありません。
それは経営者が頭をひねって今後探し続けるでしょう。
まずはその前に「堅いビジネス」で収益基盤を作る必要があります。
ここは日経新聞の記事でも書かれていました。
経営者は今後「OEM事業にフォーカスする」とあります。
オンキョーの優れた技術を、自社の製品に組み込みたい会社は世の中に沢山あるはずです。
その他、今後の時代に求められる製品を提供する事が必要かなと思います。
例えばこんな物
- 【医療福祉】今後の高齢化社会に向けて、高齢者向けの補聴器
- 【法人】報道機関向けのオーディオ機器
- 【個人】YouTuberが使うようなマイクやイヤホン
※既に作っているものもありますね。
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キャッシュレス時代の急成長企業「GMOペイメントゲートウェイ」です。
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IT系の企業です。こちらは業績が堅いですね。
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こちらも似たような堅調さがある企業ですね。
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安定企業、三井住友ファイナンシャルGの財務分析です。
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