株式投資・金融知識

【業績回復】「RIZAPグループ (2928)」はパーソナルトレーニング事業が主力。他にも事業を多数展開。往年の人気株の株価は?いまから投資すべき?

プラズマコイ(@purazumakoi)です(^^)

今回は「RIZAPグループ」の業績・財務分析をしていきます。

RIZAP(ライザップ)は一声を風靡した企業で、大規模なCM戦略で「ライザップする」といえば「短期間でダイエットをする」という連想で通じるほど知名度の高い企業です。

積極的なM&Aを行っており、バタバタした経営を続けた後、
現在のグループ企業は25社前後で落ち着いています。

プラズマコイ

多くの会社を運営する苦労がIR資料から感じられます。

多数の業態の事業を行っており、
そのためか決算時期の延期など、決算用の数字集計に手間取っているのが印象的です。

止む終えない理由があるかもしれませんが、
これは身近な例に置き換えると「家計簿を管理できない家庭」のようなものです。
投資家としては安心して長期投資できる企業ではないですね。

現時点では長期保有をするというよりは、短期目線で見るべき企業だと思います。

IRのマネジメントとビジネスのマネジメントは別の話なので、以下でビジネスの状況をみていきたいと思います。

「RIZAPグループ」はパーソナルトレーニングによるボディメイク事業がメイン

2022年3月期Q2 決算説明資料より。コスト削減の結果が伺える

事業自体は健全化に向けて努力がつづけられています。

「RIZAPグループ」の事業利益はおもに「ボディメイク事業」から生み出されています。
専門のパーソナトレーナーによりダイエットや体型維持をサポートする事業です。

従来のボディメイクから”健康のため”のプログラムも追加している

30万円の高単価なプログラムはリバウンドが心配ですが、
月額3万円の「メディカルボディメイクプログラム」の会員をどこまで獲得できるかが注目です。

「RIZAPグループ」は「ボディメイク事業」がメイン。
他にもグループ企業で美容関連、アパレル・雑貨の販売など多数の事業を行っている。

メインのボディメイク事業はストック型サービスへの移行が進行している

RIZAPグループは数多くの事業を行っています。
しかし子会社は営業赤字も多く、課題(伸びしろ?)も見られますね。

RIZAPグループの事業セグメントは3つ

  1. ヘルスケア・美容事業(主力事業)
    パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」及びRIZAP GOLF等のRIZAP関連事業の運営、体型補正用下着、美容関連用品・化粧品・健康食品の販売等
  2. ライフスタイル事業
    ゲーム販売などの店舗運営。インテリア雑貨、アパレル・雑貨・スポーツ用品の販売。住宅・リフォーム事業
  3. インベストメント事業
    グループ内の投資事業および再建を加速させるためのセグメント。

時価総額は調査時点で「995億円」ということで中型株ですね。
PERは33倍と割高水準です。知名度が高いため人気が高いですね。

今回は「RIZAPグループ 」について

  • 今後は業績を伸ばせるのか?
  • 配当金を出し続けられる企業なのか?
  • 今は買いなのか?

分析していきたいと思います。

「RIZAPグループ 」の配当利回りを見る


現在は無配を続けています

「RIZAPグループ」は今は配当を出していない企業ですです。
元々は少しですが配当をだしていただのですが業績が悪化して赤字転落してからは配当をだしていません。

復配は業績が安定してからになりますね。
その頃には株価も上昇しているでしょう。

株主優待は自社製品などを好感できるポイント

RIZAPグループの株主優待は「株主優待ポイント」です。
自社商品からポイントで引き換えを行うことができます。

株数ポイント数
100株2,000円相当
200株4,000円相当
400株6,000円相当
800株12,000円相当
1,600株24,000円相当
2,400株30,000円相当
4,000株36,000円相当
8,000株72,000円相当
16,000株144,000円相当

人気の商品は売り切れが続出するので使い勝手自体はよくないです。
ポイントは3年は積み立てられるのである程度プールしておくことも可能です。

「RIZAPグループ 」の売上(上昇トレンドであるか?)


売上はどちらかと言うと減少傾向でしょうか

株価が上昇したり、配当金を出し続けるためには、
売上が少なくとも維持」できている事が1つの目安です。

RIZAPグループは大規模なM&Aで売上規模は伸ばしています。
その結果、大赤字になってしまったので今は売上よりも利益を残すような経営をしています。

売上はしばらく伸び悩む可能性があります。

「RIZAPグループ」の営業利益率(10%以上で合格)


営業利益率は黒字転換で回復途上です

「売上-経費」の儲かり具合が「営業利益率」です。
「営業利益率が高い=儲かりやすい企業」と覚えておきましょう。

業種ごとで異なりますが、日本全体の市場平均は7%ほどと言われています。
「RIZAPグループ」の営業利益率は2022年度の予想で4%ほど。

昨年度にやっと黒字化できたという状態で、今後はまずは利益を残すフェーズです。

今後は営業利益率が少しずつ上昇していけるかがポイントでしょう。
営業利益率は7%くらいが当面の目標でしょうか。

「RIZAPグループ」のEPS(一株当たり当期純利益)


EPSは横ばいです。

1株あたりの利益であるEPS。
「当期純利益÷発行済の株の総数」で計算します。

要はEPSが高いほうが稼ぐ力が高い企業ってことです。

EPSはプラズマコイ的には「上昇中であるか、もしくは100円」が一つの目安です。
「RIZAPグループ」のEPSは一桁です。

他の企業と比較するなら、EPSは最低でも30円くらいはほしいところです。
現段階ではネガティブな経営状態と言えるでしょう。

自社株買いも今はそれどころではないので期待できませんね。

「RIZAPグループ 」の自己資本比率:高いほど良い(最低40%)


自己資本比率は黄色信号が点灯中。

自己資本比率(株主資本比率)は、
要するに借金をしていないか?を見る指標です。

「RIZAPグループ」の自己資本比率は16%程度です。
有利子負債が増加しており、純資産は減少しています。

元々自己資本比率が低い企業ですが、企業の存続としては予断を許さない状況です。

次に業績に影響を及ぼす経済ショックが起きたら経営破たんをする可能性もあります。
まずは自己資本比率が30%に回復すれば一安心でしょうか。

自己資本比率が上昇傾向にはいってから投資をしたい企業ですね。

「RIZAPグループ 」の配当金(高いほど良い)


配当金を出していたのは昔の話。
2018年度が最後の年でした。

配当金は「株を持っているだけで、その企業からもらえるお金」です。

「RIZAPグループ」は過去は配当を出していましたが今は無配です。

「RIZAPグループ 」の配当性向:配当金÷EPS(儲けの何割を配当に出す?)


配当をだしていたときは20%くらいの配当性向でした

配当性向は「稼いだ利益のうち、何割くらい配当金に使っている?」という指標です。
※市場平均は30%くらいです。

「RIZAPグループ」の配当性向は過去は最大20%が目安とされています。
現在は無配ですね。

「RIZAPグループ 」の営業活動によるキャッシュフロー


営業CFは近年は100億円を突破

「営業活動によるキャッシュフロー」は簡単に言うと
「商売によって入金されたお金がいくらになったか?」の数字です。

基本的には毎年プラスが理想です。

「RIZAPグループ」の営業CFは100億、200億円で推移しています
営業CFからは業績が回復していることが見て取れます。

M&Aによるグループ拡大でビジネスの単位は大きくなっています。
2022年度はQ2まで終わっていますが税金の支払いなどで、大きく下がりそうですね。

まずは毎年一数十億のプラスで着地できればOKと言ったところでしょうか。

「RIZAPグループ 」の現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性は?) 


現金は300億円程度を保有しています。

基本的に保有する”現金など”は多い方が良いです。
現金の重要性は「個人の家計でも企業の財務でも同じ」です。

しかしお金は「使ってこそ意味がある」ので貯めすぎは良くありません。

「RIZAPグループ」の現金は300億円程度。

事業規模が大きくこのくらいの手元資金は必要ということでしょう。
有利子負債が積み上がった結果なので、現金の増加を純粋に評価することは難しいです。

しかし手元資金はあるのでこの現金を上手くつかって業績を伸ばしていってほしいですね。

「RIZAPグループ 」の配当金の支払い額(今後も維持できるか?)

今の財務状況での配当金の支払い状況はどうでしょうか?


過去は18億円の配当を出した年もありました。

投資家としては、業績が悪化しても配当を維持して欲しいものです。

業績が悪化しても配当の支払いが負担にならなければ減配のリスクは下がります。
そのため、配当金の総支払額を見ることがポイントになります。

「RIZAPグループ」の配当総額ですが、過去は数億円は出していました。
近年は無配ですが、ちょっとだけ記載されていますね。

理由は不明ですが現状は無配の企業なので誤差として無視していいでしょう。

「RIZAPグループ 」の当期純利益は上昇中か?


ここから健全経営で利益上昇を遂げられるか?

「RIZAPグループ」の当期純利益は回復途上です。
グループ会社のビジネスは、メインのパーソナルトレーニング以外はどれも特別な強みを持っていないように思います。

不採算の事業はまずは単独で黒字化できるかがポイントになるでしょう。

グループ全体としては一旦は持ち直しているので、今後はコスト削減や黒字化の見込みがないビジネスは撤退なども検討して利益体質に向かっていく事が最重要です。

利益体質になるような改革が進んでいるかを決算ごとにチェックしたい企業です。

【まとめ】「RIZAPグループ」はパーソナルトレーニングを中心とした多事業を展開する企業。


業績回復途中で財務的には不安が残る企業です。

RIZAPグループ の財務分析のまとめです。

項目評価コメント
配当利回り無配
売上高下落傾向
営業利益率4%ほど
EPS(1株利益)5円
自己資本比率16%
1株配当
配当性向
営業キャッシュフロープラスだが安定せず
現金など当面は問題ないが不安あり
数字は記事投稿当時のものです。評価は筆者の主観です。

総評としては、業績や財務としては不安が残る企業です。
業績自体は回復傾向にあるので、筋肉質な企業体質に生まれ変わった後に投資したい企業ですね。

【チャートは?割安?】「RIZAPグループ 」の今後の株価は?今は買い時かを予想する

最後に、記事投稿時点でのプラズマコイの投資判断です。


【売り】現在の業績では買う必要はない

この記事の執筆時点(21/11/26)では株価は170円。

直近決算では営業利益はプラスになっていますが、まだ不安材料が残るので基本的には手出しをしないほうが無難な銘柄です。

人気がある企業で出来高が多い銘柄なのでプロトレーダーの戦場になっていますね。

※投資は自己責任でお願いします。

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RIZAPグループ は魅力的ですが、まとまった投資資金がない場合は1株から買える「SBIネオモバイル証券」がおすすめです。

RIZAPグループ 自体の1単元(100株)を買おうとするとまとまった金額が必要になります。
そういった場合は「SBIネオモバイル証券」で少しずつ買っていくのもおすすめです。

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