プラズマコイ(@purazumakoi)です(^^)
今回は「アダストリア」の財務分析をしていきます。
アダストリアはユニクロに代表されるSPAモデルを採用している国内大手のアパレルメーカーです。
主に女性向けファッションブランドを多数展開しており、近年では雑貨販売、店舗にカフェを併設するなど、ファッションも含めた「ライフスタイル」を提供する企業になっています。
株を始めたときからアダストリア(2685)を監視しています?
— プラズマコイ@財務分析が好き? (@purazumakoi) September 23, 2021
グローバルワークやniko andなどのブランドを多数展開しているアパレル企業です??
ここ10年は業績悪化などで1300円以下に下がってきたときが買い場でした??♂️
足元の業績は悪いですが優待もあり個人投資家には付き合いやすい銘柄です?
この銘柄は今買うべき「おすすめ銘柄」の仲間入りを出来るのでしょうか!?
ファッション・ビジネスは常に業界をリードするカテゴリの一つ
- 「アダストリア」は「アパレルショップ」をモール内に展開している企業
- 「アダストリア」の配当利回りを見る
- 「アダストリア」の売上(上昇トレンドであるか?)
- 「アダストリア」の営業利益率(10%以上は欲しい)
- 「アダストリア」のEPS(一株当たり当期純利益)
- 「アダストリア」の自己資本比率:高いほど良い(最低40%)
- 「アダストリア」の配当金(高いほど良い)
- 「アダストリア」の配当性向:配当金÷EPS(儲けの何割を配当に出す?)
- 「アダストリア」の営業活動によるキャッシュフロー
- 「アダストリア」の現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性)
- 「アダストリア」の配当金の支払い額(現金などの何パーセントか?)
- 「アダストリア」の当期純利益は上昇中か?
- 【まとめ】「アダストリア」は業績は下降トレンドだが、財務状況は悪くない「アパレル企業」
- 【チャートは?割安?】「アダストリア」の今後の株価は?今は買い時かを予想する
「アダストリア」は「アパレルショップ」をモール内に展開している企業
イオンの中なら”優待を使える店”が必ず見つかるでしょう。
「アダストリア」の事業利益はおもに「アパレルの販売収益」によって生み出されています。
主力ブランドはグローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム、スタジオクリップ、レプシィムです。
ユニクロとアダストリアの比較
ファンション業界と言えば最大の競合はユニクロでしょう。
ここではプラズマコイの主観でユニクロとアダストリアの違いを表にします。
ユニクロを基準とした場合 | 価格 | ファンション性 |
---|---|---|
ユニクロ | 安い | 低い(ベーシック) |
アダストリア | 高い | 高い(ユニクロより個性的) |
ユニクロとアダストリアは同じアパレル産業なので競合になりますが、
その企業戦略は明確に異なります。
そのため2つの企業は「多少はユーザーを食い合うものの、共存が可能」だと言えます。
高価格ファッションアパレル企業では国内1位のアダストリア
ある程度の価格帯(中価格、高価格)の商品になってくると、
ファッションアパレルをメインとした企業で時価総額が500億円以上なのは「アダストリア」「ユナイテッドアローズ」「オンワードHD」の3社しかありません。
1着5000円や1万円のアイテムを買い求めるユーザー層をターゲットにする場合、
アダストリアは最も力のある企業と言えます。
アダストリアの主なブランドの上位5つ
- グローバルワーク・・・20代以降の男女のアパレル(子供用品もあり)
- ニコアンド・・・20代〜30代の男女アパレル
- ローリーズファーム・・・20~30代の女性用アパレル
- スタジオクリップ・・・30代〜40代の女性のライフスタイル用品
- レプシィム・・・40代以上の女性
公式サイトで明確にブランドごとのターゲットが公開されています。
時価総額は調査時点で「982億円」ということで中型株ですね。
PERは23.98倍とすこし割高です。
今回は「アダストリア」について
- 今後は業績を伸ばせるのか?
- 配当金を出し続けられる企業なのか?
- 今は買いなのか?
分析していきたいと思います。
「アダストリア」の配当利回りを見る
配当利回りは2.5%ほど
「アダストリア」の配当利回りは2.5%ほどです。
この水準では高配当とは言えないですが、優待があったり株価成長が見込めるならプラス材料ですね。
アダストリアは過去では4%近い配当利回りで高配当銘柄だった歴史があります。
しかし近年は業績悪化で減配もありました。
それでもこの配当水準は企業としては頑張っているレベルだと思います。
株主優待はグローバルワークなどのお店で使える割引券
アダストリアの割引券は、グローバルワークなどのお店で使える割引券です。
表示価格から直引きなのが嬉しいところです。
※他の企業だと10%や20%OFFの場合が多いです。
対象株数 | 優待品 |
---|---|
100株 | 3,000円 ※2年以上保有で5,000円 |
1,000株 | 10,000円 ※2年以上保有で12,000円 |
10,000株 | 20,000円 ※2年以上保有で22,000円 |
今後は株価成長、配当金の増加などで
- キャピタルゲインを狙えるか?
- 配当の伸びを期待できるか?
チェックしていきましょう。
「アダストリア」の売上(上昇トレンドであるか?)
2022年は2000億を回復できるかが勝負
株価が上昇したり、配当金を出し続けるためには、
「売上が少なくとも維持」できている事が1つの目安です。
「アダストリア」は毎年成長を続けていましたが2019年に成長がストップ。
その後コロナ影響で続落しました。
業績としては頭打ちをしていると言えます。
今後はファッションを軸として、国内ではライフスタイルを提案していく形で復活を模索しています。
海外事業は業績への寄与度が少ないので個人的には注目していません。
また近年ではオンラインストアでの販売が全体の30%を占めており、EC化率が高まっています。
ECサイトの使い勝手やWEBサイトの見栄えは他社に比べて先進的なものを展開しています。
「アダストリア」の営業利益率(10%以上は欲しい)
営業利益率はかなり悪い
業種ごとで異なりますが、日本全体の市場平均は7%です。
「アダストリア」の営業利益率は3%ほど。
ユニクロやしまむらなど、ファッション業界の営業利益率はここ10年でかなり悪化しており、競争がピークを迎えていると言えます。
価格を抑え、薄利多売のビジネスを強いられているのがデフレ日本の現状です。
人々の思考が「ユニクロで十分」になっている中、利益体質の企業になることは難しいと言えるでしょう。
「アダストリア」のEPS(一株当たり当期純利益)
EPSは100円を割って下落トレンド入りか?
EPSは個人的に「上昇中であるか、もしくは100円」が一つの目安です。
「アダストリア」のEPSは100円を割っています。
長期でみると下落トレンドに入っているように見えます。
2022年の動向もですが2023年以降のビジョンでも見ると下落する可能性は考慮に入れたいところです。
「アダストリア」の自己資本比率:高いほど良い(最低40%)
自己資本比率は高い
「アダストリア」の自己資本比率は53%程度です。
借金を返済して無借金企業になりました。
しかし「流動負債が多く」自己資本比率は低めに抑えられています。
小売業なので、買掛金や未払金が溜まっていますね。
高いポイント付与率でユーザーの購買意欲を刺激しているので、ポイント債務もたまっています。
無借金だからと手放しでは評価できない自己資本比率の数字ですが、
当面は問題はない水準かと思います。
「アダストリア」の配当金(高いほど良い)
業績が安定せず配当も安定しない
「アダストリア」は業績連動で配当をだす企業です。
毎年業績をかんがみて”配当は出せるだけ出している”といった企業です。
2022年度は1株50円と10円の増配予想です。
1Qの進捗率が微妙なので2022年は脱コロナの動向が業績の命運を握るでしょう。
しかし緊急事態宣言の発令・解除で一進一退を繰り返しているいま、業績の急回復の見込みは乏しいでしょう。
「アダストリア」の配当性向:配当金÷EPS(儲けの何割を配当に出す?)
配当性向は50%目安
「アダストリア」の配当性向は50%を目安とされているように見えます。
感覚的には好業績のときに増配を続けていたため、減配をしづらい状況になっているように見えます。
配当性向の数字だけで見るなら、50%を目安にそのつど決めているようですね。
「アダストリア」の営業活動によるキャッシュフロー
営業CFは上下はあるが比較的安定している
「アダストリア」の営業CFは上下はあれど安定推移です。
業績は右肩さがりですが営業CFは波はあっても安定しています。
フリーCFを見てみても毎年プラスなので、一時的に赤字になっても倒産のリスクは少ないですね。
「アダストリア」の現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性)
現金は240億円ほど
「アダストリア」の現金は毎年増加中です。
現金保有額としては10年前の水準にまで戻ってきています。
現金保有額からも企業の財務状況に不安がないことがわかります。
以下の3つのポイントから手元資金は豊富になってきていることがわかります。
- 無借金経営
- 自己資本比率は下がり気味
- 現金保有額は高い
業績を見ると悲観的ですが、何気に経営環境としては悪くなさそうです。
「アダストリア」の配当金の支払い額(現金などの何パーセントか?)
直近の配当金の支払い状況はどうでしょうか?
25億円くらいが当面の配当総額ターゲット
「アダストリア」の配当総額は自社株買いもおこなっていますので25億円くらいがターゲットでしょうか。
配当性向を考えると、50億か60億くらいの当期純利益をだしてほしいですね。
「アダストリア」の当期純利益は上昇中か?
当期純利益は60億円になってほしい
「アダストリア」の当期純利益は近年減少してます。
過去は100億円ほどのときも有りましたが近年は業績が悪化していますね。
当面は50億円、60億円の回復を目指し100億円復活のベストシナリオに向けて経営者の手腕に期待したいと思います。
【まとめ】「アダストリア」は業績は下降トレンドだが、財務状況は悪くない「アパレル企業」
レッドオーシャン産業のため、WEBマーケティングなどのWEB展開が他社に比べて先進的
アダストリアの財務分析のまとめです。
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
配当利回り | ▲ | 2.5%台 |
売上高 | ▲ | 下落トレンド |
営業利益率 | ✕ | 3% |
EPS(1株利益) | ▲ | 下落中に見える |
自己資本比率 | ◯ | 53%くらい |
1株配当 | ◯ | 安定しない。 還元意識は高い |
配当性向 | ▲ | 50%目安 |
営業キャッシュフロー | ◯ | 意外と安定 |
現金など | ◯ | 問題なし |
総評としては、今後の業績は楽観視できない企業です。
その一方、WEBマーケティングや購買のEC化などは他の企業・産業に比べて進んでおり、
先進的な投資も行っている国内アパレル企業のトップランナーでもあります。
レッドオーシャンの業界ですが「衣服」の需要がなくなることはありません。
業績が縮小するリスクはありますが、生き残れる力はあると思っています。
【チャートは?割安?】「アダストリア」の今後の株価は?今は買い時かを予想する
最後に、記事投稿時点でのプラズマコイの投資判断です。
【中立】1000円〜1500円なら買い
この記事の執筆時点(21/09/23)では株価は2,014円。
短期でみるなら買い場ではないと思います。
長期で見るとチャートは下落トレンド(業績が悪いので)です。
長期保有で考えるなら1500円以下で買いたいところで、1ヶ月〜3ヶ月のスイングトレードでも同様かと思います。
※投資は自己責任でお願いします。
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アダストリア自体の1単元(100株)を買おうとするとまとまった金額が必要になりますね。
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