今回は「物価とは何か」 という本を読みました📕
本書のテーマは「物価が上下する理由とその対策方法」です。
2023年10月1日現在、日本は先進国でただ1つの低金利国です🇯🇵
それでも少しずつ利上げに動いています🇯🇵 📈
まずはここ最近の日銀の金融政策の変更を振り返っておきましょう💁
- 2022年12月20日
日銀は長期金利の上限を…
「0.25%程度 → 0.5%程度」に引き上げました。 - 2023年7月28日
日銀は金融政策決定会合で、長期金利の上限を…
「0.5%程度 → 1%まで」引き上げました。
このように、2022年の年末から、日銀は少しずつ利上げ方面に動いて来ました。
その背景に2022年に入って物価があがってきたことがあります。
↓以下の投稿を見てくださいませ。22/01から急上昇しています。
🎏 日銀が注目する物価指標を解説 🎏
— プラズマコイ@高配当株で年間100万円の配当金を目指す🎏 (@purazumakoi) September 28, 2023
日銀が独自で資産する3指標で物価の傾向が分かる😃✌
物価上昇でもマイナス金利を解除しない理由とは❓
9/26に「日銀が物価を見るための3指標」の最新版を更新しました✨
相変わらず物価は上昇していることが分かりますね🔍… pic.twitter.com/tTcyoeNM7g
本書の著者は「渡辺 努さん」東京大学大学院経済学研究科の教授さんです🎓
今回は株式投資をするうえで最重要な指標は「金利」です。
金利が上がれば株価は下がるのがセオリーです😳
そのため、金利の上下はとっても大切👆
そして金利は「物価」で決まると言っても過言ではないのです😤✋
今回は金利と物価について学んでいきましょう♪
株式投資家には「金利」は最重要指標です。
連動する「物価」についても学びたいですね。
本書は以下の内容で構成されています。
もくじ
- 第1章 物価から何がわかるのか
- 第2章 何が物価を動かすのか
- 第3章 物価は制御できるのか――進化する理論、変化する政策
- 第4章 なぜデフレから抜け出せないのか――動かぬ物価の謎
- 第5章 物価理論はどうなっていくのか――インフレもデフレもない社会を目指して
今回は「特にポイントになる部分」を中心に要約していきます。
なかなか小難しいテーマなので、前半と後半に記事を分けようと思います。今回は前半です。(後半は気が向いたら書きます😅)
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本書は、かなりの良書で、以下の方におすすめです。
- 国の物価や金利がどうやって決まるのか知りたい。
- 中央銀行(米国FRB、日本銀行)が何をしているのか知りたい。
- 中央銀行はインフレ、デフレ時にどんな対策をしてきたのか知りたい。
- 日銀の植田総裁の発言を聞いてもイマイチ内容がピンとこない。
- 経済に詳しくなりたい。
- 今後の金利動向を予想して、株式投資やFXトレードに活かしたい
▼ 興味を持ったら是非、実際に手にとってみてください ▼
物価は「蚊柱」です (どゆこと??)
いきなりわかんないのきた
本書はプロローグで、物価は「蚊柱(かばしら)」のようなものと例えています。
蚊は大量に集まって、柱のように見える集団を作ることがありますね。
ここでは、蚊を一つの商品や品目(ガソリンとか、生鮮食料品とか)に見立てます。
一つの商品の値動きは時と場合によって、上下に移動することが普通です。
それでも全体の柱として同じ範囲にとどまっていれば「物価は安定している」と言えるのです。
つまり、一つの商品だけではなく、全体で見ましょうということですね。
「物価を理解する」ためには商品の群れを一つの塊とみなし、その移動の仕組みを解明することが不可欠です。
- 物価は一つの商品・品目を見るのではなく、全体を見て判断する。
- 全体的に物価が上がっていれば「インフレ」と言える。
- 全体的に物価が下がっていれば「デフレ」と言える。
原油高でもインフレ(物価高)にならない理由
物価高の真犯人は別にいます
世間で良く言われているのが「原油高によるインフレです」📢
流れとしてはこうです💁
良く言われる原油高によるインフレの流れ
- 産油国が減産したりして需要に対して原油の供給量が不足する
- 石油関連製品(ガソリンなど)の値段があがる
- CPI(消費者物価指数)があがる
しかし本書では「原油高は原因ではないことがデータで示されている」と書かれています。
根拠となるデータは、1974年のオイルショック時です👆
こちらのページのP4によるとオイルショック時にCPIは前年比23%まで上がっています。
その時の物価高の背景は以下と言われていました。
当時考えられていたオイルショック時の物価高の背景(実際は違うけど)
- 前年の1973年にイスラエル、アラブ諸国の間で第四次中東戦争が勃発
- 産油国は原油価格の引き上げを行い、イスラエルを支援する国(米国など)への輸出を停止
- 日本も巻き添えを食って、アラブからの原油輸入が途絶える。
- 結果、原油の国際価格が4倍に急騰。ガソリンなど石油関連の価格が上がる。
- 原油価格の上昇により経済が混乱して物価全体が上がる。
しかし!
実際は「日銀による貨幣の過剰供給」と「政府による財政出動」のコンボが理由だったことが判明しています。
「1974年の物価高」真犯人は日銀と政府
本書では、オイルショック時の物価上昇は「日銀による貨幣の過剰供給」と「政府の財政出動」が原因であると書かれています📝
要するにお金のバラマキで、金融緩和の一種と言えるでしょう🎏✋
もちろん悪気があったわけではないのですが、当時の流れは以下になります。
日銀の貨幣バラマキの背景
- 1971年から1973年にかけて、国際的な金本位制の崩壊と固定為替レート制度の終焉を背景に、各国の為替レートが「固定相場から、変動相場に変わる」
- 日本は当時は1ドル360円の固定相場でだったが、
商社や金融機関は円高になると予想 → 円を買い占め始める。 - 市場から円がなくなってしまうので、日銀は逆の動きとして「ドル買い&円の放出」を実行
政府の財政政策の背景(当時は田中角栄が首相)
- 「列島改造政策(首都圏に偏っていた経済成長を地方にも広げる政策)」を実行
- 地方活性化の財源として、市場全体にお金をバラマキを行った
つまり、たまたまオイルショックの時期と重なったため、物価高の原因がすり替わってしまったというわけですね。
【具体例】原油高”だけ”ではインフレにならない理由
まだピンと来てない方のために具体例を出しましょう💁
仮に毎月10万円で生活していたとしましょう。
原油高でガソリン価格が上がってしまいました。
とてもツラいですが、田舎暮らしでガソリン代は削れません⛽
その場合「他の何かを節約して支出をトータル10万円に抑えます」
※多くの人は、そこで借金をしようとは思いませんね。
そのため、ガソリンなどは上がりますが「物価全体としては上がらない」と言えます。
※多少は上がってしまうにしても、前年比20%の急騰はしないでしょう。
- 原油高など一部の価格があがっても、全体的に収支が調整されるので、物価はあがらない。
- 物価があがるのは、日銀や政府がお金のバラマキを行うから。
【まとめ】物価を理解して「金利」や「経済」に強くなる
「金利」と「物価」の仕組みを知って
投資家としてレベルアップしましょう♪
この記事を書いている2023年10月1日、日本は正に「物価高 → マイナス金利解除」の期待が高まっているタイミングです。
物価高の仕組み、金利との関係を理解しておくことで、株式投資家は事前に予想を立てることができるようになります✨
必ず当たる予想はできなくても、メインシナリオやサブシナリオを持っておくのは「勝てる投資家の大切な要素」ですね。
この記事のまとめ
- 物価は一つの商品・品目を見るのではなく、全体を見て判断する。
- 全体的に物価が上がっていれば「インフレ」、下がっていれば「デフレ」と言える。
- 原油高など一部の価格があがっても、全体的に収支が調整されるので、物価はあがらない。
- 物価があがるのは、日銀や政府がお金のバラマキを行うから。
後日後半で「物価(インフレ・デフレ)は人々の「予想」から生まれる」をメイントピックスにしてご紹介していこうと思います。
記事で紹介した内容は本書のなかのほんの一部です。
ぜひ実際に読んでみてください。
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