こんにちはプラズマコイ(@purazumakoi)です(^^)
今回は、累進配当政策、30年以上減配なし・・・は過去の話の高配当銘柄
「キヤノン」の財務状況をチェックしていきたいと思います。
この銘柄は今買うべき「おすすめ銘柄」の仲間入りを出来るのでしょうか!?
結論としては「まだまだ業績回復の途上です」
「キヤノン」はオフィス機器がメイン、続いてカメラが柱の製品
個人にはカメラのほうがイメージが強い場合もありますが、
プリンタなどの法人向けが収益源です。
「キヤノン」の事業利益は基本的には「オフィス機器」からもたらされています。
個人向けにサービスを展開いている企業でも実は法人向けがメインでそちらから利益をだしているというのは今までの銘柄分析でも多かったですね。
この前分析したマネーフォワード もそうでした。
カメラの回復だけでは業績復活には繋がりませんね。
今後の事業推移を占う上では、オフィス機器(プリンティング事業)の復活が1つのポイントになりそうです。
インダストリアル部門は、半導体需要が高と調子が良さそうです。
キヤノンの主な製品群は大きく4つ
- プリンティング製品
主に業務用のプリンター - イメージング製品
カメラやプロジェクターなど、カメラ関係の製品 - メディカル製品
CTやMRIなど医療機関向けの製品 - インダストリアル、その他
産業用の、半導体関連の装置
時価総額は調査時点で「3兆4504億円」ということで大型株ですね。
今回は「キヤノン」について
- 今後は業績を伸ばせるのか?
- 配当金を出し続けられる企業なのか?
- 今は買いなのか?
分析していきたいと思います。
チェックは「IR BANK」で行う
今回紹介されている方法は、IR BANKの「決算まとめ」から確認ができます。
まずは配当利回りを見る
基本的にはずっと高配当
「キヤノン」の配当利回りは大体3〜5%台です。
業績に関わらず非常に株主還元の意識が高い会社で、無理してでも配当を出そうとする企業です。
そのため、常に高い配当利回りになっています。
日本を代表する高配当株ですね。
今後は株価成長の期待を持ちつつ、
- 今後キャピタルゲインを狙ったり、
- 今後の配当の伸びを期待できるか
チェックしていきましょう。
売上(上昇トレンドであるか?)
2021年は復活のスタートの年
株価が上昇したり、配当金を出し続けるためには、
「売上が少なくとも維持」できている事が1つの目安です。
「キヤノン」の売上は、2021年12月期 第1四半期は好調な滑り出しで、
2021年の通期の予想も3.5兆円。
かなりの巨大企業であり、売上高は10年前とほとんど変わってないですね。
営業利益率(10%以上は欲しい)
まだまだ低い水準
業種ごとで異なりますが、日本全体の市場平均は7%です。
「キヤノン」の営業利益率は低めとなっています。
売上高が横ばいから、減少のなか、営業利益率が年々下がっている事がわかります。
ビジネスでの競争力が低下しているということがわかりますね。
まだまだ、キヤノン復活ロードは始まったばかり
営業利益率もこのままでは厳しいので、投資家目線では、さらなる経営改善が求められます。
EPS(一株当たり当期純利益)
200円に回復するのが当面の目標
EPSは個人的に「上昇中であるか、もしくは100円」が一つの目安です。
「キヤノン」のEPSは100円は超えています。
自社株買いの購入などもあり、業績に比べるとEPSは高くなっているように思われます。
しかし、EPSも長期では減少トレンドなので、ここも注意して見ていきたいです。
自己資本比率:高いほど良い(最低40%)
自己資本比率は最低40%〜かをチェックしましょう。
減少傾向だがここから増加するでしょう
「キヤノン」の自己資本比率は減少傾向でしたが、55%超えで推移しています。
今は過去と比較すると厳しい財務状況ですが、、
当面は問題なさそうですし、今後少しずつ改善していくと個人的には予想しています。
キヤノンに限らず一般的に、自己資本比率は以下の条件で増減することが多いです。
自己資本比率は、主に以下の条件で増減
- 利益が現金になり、資産が増え、自己資本比率は増加
- 銀行などから借金をすると負債が増えになり、自己資本比率は減少
- 借金を返済して負債が減り、自己資本比率は増加
つまり「利益体質の会社」は基本的には、自己資本比率は増加を続けます。
※たまに事業投資で一気にお金をつかったり、お金を借りたりすると自己資本比率が減りますね。
配当金(高いほど良い)
連続増配を続けています
「キヤノン」は、一時期は1株160円という、超配当株でした。
しかし2020年に80円に減配。
2021年12月期は90円にすこし戻して増配予定です。
しかし、キヤノンは「配当性向と合わせ見る」とリスクの度合いがよくわかります。
配当性向:配当金÷EPS(儲けの何割を配当に出す?)
無理して配当しとるやん!
「キヤノン」の配当性向は50%を基本的に超えています。
配当性向は非常に高く、近年は業績が悪化しても減配をしていません。
非常に株主還元意識の強い企業で、株主に優しいというのが個人投資家の意見で良いと思います。
しかし、直近の減配からわかるように、配当性向100%超え(利益以上に配当を出す)では
配当金を維持することができませんね。
つまり、業績と配当のバランスが今はとれていないということです。
配当性向は50%くらいが安心してホールドできる水準です。
営業活動によるキャッシュフロー
近年は安定して・・・減少傾向
「キヤノン」の営業CFは黒字ですが、減少傾向。。
2020年まで、直近3年は厳しい成績ですので
営業CFが増加傾向になるというのは、緊急課題と見ています。
当面の目標は営業CF4000億円の回復ですね。
現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性)
減少傾向が続いている
次に見ていきたい項目は企業が保有する「現金など」です。
「キヤノン」の現金は近年は減少傾向。
2021年12月期 第1四半期の決算から予想すると2021年12月期は、多少”現金など”も増える可能性があると思っています。
現金もすこし戻していかないと、個人投資家としてはあまり安心できないですよね。
貯金が少しずつ減っている企業に明るい未来をイメージしづらいってことです。
配当金の支払い額(現金などの何パーセントか?)
今の財務状況での配当金の支払い状況はどうでしょうか?
とりま1700億くらい用意できるくらいに利益を出して欲しい!
投資家としては基本的に、業績が悪化しても配当を維持して欲しいものです。
配当を維持するためには、短期的に「利益が多少悪化しても配当を支払える現金」があればよいということになります。
そのため、配当金の総支払額を見ることがポイントになります。
「キヤノン」は過去最高水準をみると1700億くらいの配当金を総額でだしていますね。
配当性向50%なら、当期純利益は3400億円くらい欲しいですね。
当期純利益は配当金をまかなえるか?
「キヤノン」の2021年12月期の当期純利益は1400億円予想。
先程書きました、プラズマコイ的に求める水準は、遥か彼方です。
しかし、配当金を出し続けるためには、企業も利益を投資にまわしてビジネスを変化することも必要ですので、
やはり減配実績からもわかるとおり、利益が配当にくらべて少なすぎたという事がわかります。
配当維持のためには予断を許さない状況と言えますね。
【まとめ】キヤノンは「オフィス機器」がメインで次の事業の柱が求められる
オフィス機器の復活が見込めればよいが・・・
そうでなければ次の事業の柱が欲しい所
キヤノンの財務分析のまとめです。
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
配当利回り | ▲ | 3%台くらい |
売上高 | ▲ | 減少傾向 |
営業利益率 | ▲ | 5%台くらい |
EPS(1株利益) | ▲ | 100円超えだが減少気味 |
自己資本比率 | ▲ | 50%台だが増加傾向 |
1株配当 | △ | 直近は減配実施 |
配当性向 | ▲ | 100%超え |
営業CF | ▲ | プラスだが減少傾向 |
現金など | △ | 減少傾向 |
総評としては、今後の業績見通しがそこまで明るくないので、毎回の決算を確認して総合的に利益体質になることを確認たいところです。
「キヤノン」の今後の株価は?今は買い時かを予想する
最後に、記事投稿時点でのプラズマコイの投資判断です。
【中立】株価はあがっているが、まだ保留
この記事の執筆時点では株価は2,628円
株価水準としては”ほどほど”かと思います。
業績が余談を許さない状況なので、今わざわざ買う銘柄ではないかなと思いますが、
今後2021年度の決算が良さそうであれば、そこに向けてジリジリ株価もあがってくるかもとは思います。
しかし、配当を無理してだしているので、ちょっと危ないかなとも思いますね。
※投資は自己責任でお願いします。
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