連続増配の株

信越化学工業(4063)は世界有数の化学素材メーカー【7年連続増配・営業利益率30%】

プラズマコイです(^^)
SNS: PostPrim

今回は「信越化学工業」の業績・財務状況をチェックしていきたいと思います。

信越化学工業は国内1位の「総合化学素材メーカー」です。

主力製品は「塩化ビニル樹脂(塩ビ)」「シリコンウエハー」です。
多くの製品で高い世界シェアを獲得している企業ですね。

  • 塩化ビニル樹脂:世界シェア1位
  • 合成石英:世界シェア1位
  • 合成性フェロモン:世界シェア1位
  • メチルセルロース:世界シェア2位
  • フォトマスクブランクス:世界シェア2位
  • 半導体シリコン:世界シェア1位
  • フォトレジスト:世界シェア2位
  • シリコーン:国内シェア位、世界シェア4位

公式のアニュアルレポートに詳しく書かれています。

奥野一成さんのファンド「おおぶね」にも組み込まれていますね。

プラズマコイ

高い営業利益率に注目したい企業です。

取り扱う製品は、高い参入障壁があり、原材料が上がっても価格転嫁が素早くできるところも強みです。
それもあって直近の営業利益率は30%以上と高くなっていますね。

関連会社も多数で、信越ポリマー(7970)、三益半導体工業(8155)は上場しています。

いま、この会社の株を買うべきでしょうか?見ていきましょう。

「信越化学工業」は世界1位のシェアを持つ化学素材を多数製造

信越化学工業の事業セグメント

  • 生活環境基盤材料
    塩化ビニル樹脂、か性ソーダなど、各種産業(インフラ、住宅、農業など)に使われる材料。
  • 電子材料
    半導体(シリコンウエハー、化合物半導体)、マグネット(ネオジム磁石、磁石応用製品、レア・アース酸化物)など、半導体製造に使われる素材。
  • 機能材料
    シリコーン、セルロース誘導体などの機能材料。
  • 加工・商事・技術サービス
    半導体ウエハー関連容器、自動車用入力デバイス、食品包装用塩ビラッピングフィルムや建設資材。商社機能も。
出典:マネックス証券
海外売上比率は約8割 出典:マネックス証券

急激に業績が成長しています。

「信越化学工業」の事業利益はおもに塩化ビニル樹脂シリコンウエハーで生み出されています。

生活環境版材料セグメントの主力製品は「塩化ビニル樹脂(塩ビ)」です。
上下水道などのインフラ(社会基盤)から、住宅、農業、生活用品まで、私たちの生活に欠かせない樹脂素材です。

もうひとつの主力製品は電子材料セグメントの製品である「シリコンウエハー」です。
「信越化学工業」は世界一の半導体シリコンウエハーのメーカーで、他にも半導体の製造に使われる各種素材を製造しています。

シリコンウエハーはスマートフォンなど、最新の電子機器に使われており、需要が高い素材です。

「信越化学工業」は世界有数の総合化学素材メーカー
化学メーカー内での時価総額は国内1位の企業。

直近13年のうち12年は増益を達成。
売上も増収傾向である。

配当金は7年連続増配中。好業績で配当金も右肩あがりを継続中。

時価総額は22/9/9時点で「6兆8,541億円」ということで超大型株ですね。
PERは11.5倍と一般的には、割安水準です。

今回は「信越化学工業」について

  • 今後は業績を伸ばせるのか?
  • 配当金を出し続けられる企業なのか?
  • 今は買いなのか?

分析していきたいと思います。
※各種指標の表はIRBANKより引用しています。

「信越化学工業」のPER推移を見る


PERは過去比較では割安感があります。

この株の「割安度」の判断目安として過去のPER比較を行います。
過去のPERより低ければ「今は割安かも?」と検討します。

「信越化学工業」のPERは11.5倍(22/9/9時点)。
過去の推移を見ると割安感があります。

過去推移をみると、PERは15倍くらいはあってもよいです。
いまのPER11.5倍はかなり安いと言えます。
この背景には半導体セクターが売られ気味という直近トレンドがありますね。

ある意味ではPER11.5倍は将来的な半導体需要の悪化が見込まれていると言えます。
プラズマコイ個人としてはもう少し下げる可能性もあると思いつつ、少し割安な状態かなと思います。

「信越化学工業」の配当利回りを見る

配当利回りは上昇中です。

「信越化学工業」の配当利回りは9/9時点で2.74%です。
配当利回りは急上昇中です。

配当利回りは低めの企業でしたが2.7%と上昇傾向です。
増配率を考えるとそろそろ買っても良さそう・・・そんな水準になってきましたね。

「信越化学工業」の売上(上昇トレンドであるか?)

売上は上昇中です。

株価が上昇したり、配当金を出し続けるためには、
売上が少なくとも維持」できている事が1つの目安です。

「信越化学工業」の売上は上昇傾向です。
2022年、2023年は2021年に比べて大幅に売上があがっています。

直近は絶好調といえます。
一気に伸びているので2024年以降の”揺り戻し”がある可能性も考えられますね。

「信越化学工業」の営業利益率(10%以上が理想)

営業利益率は上昇傾向です。

「売上-経費」の儲かり具合が「営業利益率」です。
「営業利益率が高い=儲かりやすい企業」と覚えておきましょう。

営業利益は4%〜7%を一般水準の目安としています。
「信越化学工業」の営業利益率は32%程度です。

営業利益率は非常に高いですね。明らかに競合優位性があることがわかります。
さらに営業利益率は年々上昇しており、稼ぐ力が高まっていることがわかります。

「信越化学工業」のEPS(一株当たり当期純利益)

EPSは上昇傾向です。

1株あたりの利益であるEPS。
「当期純利益÷発行済の株の総数」で計算します。

要はEPSが高いほうが稼ぐ力が高い企業ってことです。

EPSは個人的に「上昇中であるか、もしくは100円以上」が一つの目安です。

「信越化学工業」のEPSは上昇傾向です。
2023年の予想では1435円とEPSの数字も非常に高いですね。
一株利益の上昇は文句なしと言えるでしょう。

自社株買いも積極的に実施されています。

「信越化学工業」の自己資本比率:高いほど良い(最低40%)

自己資本比率は盤石です。

自己資本比率(株主資本比率)は、
要するに借金をしていないか?を見る指標です。

「信越化学工業」の自己資本比率は82%ほどです。
有利子負債は少しずつ増加していますが、有利子負債比率も0.9%とほとんど借金はない企業と言えます。

自己資本比率の年別推移を見ても、財務力は盤石です。
倒産リスクは低い企業と言えるでしょう。

「信越化学工業」の配当金

配当は増配傾向です。

配当金は「株を持っているだけで、その企業からもらえるお金」です。

「信越化学工業」の配当金は7年連続増配中です。
配当は右肩あがりで非常に魅力的な増配株です。

2023年も1株450円の予想と増配記録を更新予定です。

その一方、2016年から配当は上昇傾向ですが、その前は配当は増えていません。
直近は増配率もかなり上がっていますので、どこかでピークアウトが来ることも留意しておきたいですね。

「信越化学工業」の配当性向(儲けの何割を配当に出す?)

配当性向は30%ほどと市場平均並みです。

配当性向は「稼いだ利益のうち、何割くらい配当金に使っている?」という指標です。
※市場平均は30%くらいです。

「信越化学工業」の配当性向は30%〜35程度です。
配当性向は市場平均並みですね。

配当性向は2010年頃は50%ありましたが、近年は下がってきています。
利益が増えており、増配を出来ているのに配当性向が下がっているという理想的な状態と言えるでしょう。

「信越化学工業」の営業活動によるキャッシュフロー

営業CFは上昇傾向です。

「営業活動によるキャッシュフロー」は簡単に言うと
「商売によって入金されたお金はいくらか?」の数字です。

毎年プラスが理想です。

「信越化学工業」の営業CFは上昇傾向です。
2022年は過去最高を達成しており、営業CFは上昇傾向です。
素晴らしい推移ですね。

「信越化学工業」の現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性)

現金保有額は上昇傾向です。

現金は業績悪化に対する備えや、事業活動の原資になります。
基本的に“現金など”は多い方が良いです。

しかしお金は「使ってこそ意味がある」ので事業投資に使うことも重要です。

「信越化学工業」の現金は1兆円ほどです。
巨大企業ですね。大台に到達しています。

総資産は4兆円ほどで現金比率は25%ほど。
現金比率は高めですね。

現金保有高も年々上昇しており、利益が積み上がっていますね。
現金保有高の面からも財務的な安心感を感じます。

「信越化学工業」の当期純利益は上昇中か?

当期純利益は絶好調です。

「信越化学工業」の当期純利益は上昇傾向です。
2023年は過去最高の5880億円を予想されています。

2022年に利益は急上昇をしており、2023年も上積みが見込まれています。
2023年には一つのピークを迎えるかもしれません。

その後の業績予想は難しいですが、世界経済が堅調なら「信越化学工業」の業績もそれなりに堅調に推移しそうだと個人的には思います(希望的観測も含みます)

【まとめ】「信越化学工業」は競合優位性を持つ世界有数の化学素材メーカー

高い営業利益率が強みを表しています。

信越化学工業の財務分析のまとめです。

項目評価コメント
配当利回り2.67%
売上高上昇傾向
営業利益率32%
EPS(1株利益)上昇傾向
自己資本比率82%
1株配当7年連続増配
配当性向30%
営業キャッシュフロー上昇傾向
現金など上昇傾向
当期純利益上昇傾向
数字は記事投稿当時のものです。評価は筆者の主観です。

総評としては「業績が絶好調の、大企業です」です。

PERは11倍台と割安感があり、配当利回りも2.7%と上昇傾向なのがポジティブポイントです。
さらには7年連続増配と株主還元の度合いも上昇しています。

単純に営業利益率の上昇や、営業CF、当期純利益の伸びも素晴らしく、業績は文句なしですね。

ネガティブなリスク要因は、半導体需要のピークアウトや、今は円安局面ながら、今後円高になるタイミングでは業績悪化につながる場面も考えられます。

【チャートは?割安?】「信越化学工業」の今後の株価は?今は買い時かを予想する

最後に、記事投稿時点でのプラズマコイの投資判断です。

プラズマコイ

【中立】長期では右肩あがりだが直近は調整局面です。

調査時点(22/9/9)では株価は16,450円。

チャートは長期では右肩あがりですが、今は高値付近で直近では半導体セクターの企業は売り込まれていますね。

「信越化学工業」は非常に競合優位性が高く、決算がよい企業なので、押し目で買って行きたい企業ですが、値がさ株でもあるので、今から買う場合は1株ずつ買っていくことをおすすめしたい企業です。

※本記事は固有の金融商品の購入を推奨する意図はありません。
※投資は自己責任でお願いします。

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