連続増配の株

シークス(7613)は大手のEMS(電子機器受託製造))会社【15年連続増配】

プラズマコイです(^^)
SNS: PostPrim

今回は「シークス」の業績・財務状況をチェックしていきたいと思います。

シークスは国内最大手の「EMS会社」です。
EMS(電子機器受託製造)は、企業から電子機器の製造を依頼され、作って納品することです。

EMS製品で車載関連機器、産業機器、家庭電気機器、情報機器、一般電子部品を手掛けています。
特に車載関連機器の比率が高く売上全体の5割以上を占めています。

主力は車載関連機器と言って良いでしょう

出典:株主通信

プラズマコイ

業績が上昇している背景にEMS事業のメリットを感じます。

EMS事業のメリットには以下があります。

EMSにおける受託企業は、メーカーをまたいでさまざまな製品を製造でき、生産量が増えれば部材の大量購入で調達コストを下げることが可能です。
技術やノウハウの獲得受託企業は、生産に必要な技術やノウハウを自社に取り込めます。
量産技術の専門性を高めていくことで、生産の品質や効率の改善にも繋がります。

https://www.robot-befriend.com/blog/electronics-manufacturing-service/

主力製品が、車載機器ということで、今後の自動車産業のトレンドは「EV化」「IoT化(常時接続)」あります。

企業はこのような、顧客の目に見えないようなものは、自社内に製造ラインを構えるよりも、外部化したほうが効率的という判断がくだされているということですね。

いま、この会社の株を買うべきでしょうか?見ていきましょう。

「シークス」は車載機器など電子機器関連の受託製造を行っている会社

シークスの主な事業

  • EMS(電子機器受託製造)
    車載関連機器、産業機器、家庭電気機器、情報機器、一般電子部品
  • TRADING(部材調達代行・物流サービス)
    各種部品の商社機能
  • プラスチック成形
    パワーツール用バッテリーパック、事務機器、プロジェクター、PCパーツ 医療機器
  • JDM(共同設計製造)
    ロボティクス関連、原材料・素材関連、エナジーマネージメント関連、光学関連・センサー関連、通信・IoT関連
車載機器の比率が高い 出典:決算説明資料
海外売上比率は約8割、東南アジアが稼ぎ頭 出典:マネックス証券

車載品をメインで製造しています。

「シークス」の事業利益は車載関連機器用の部材」で生み出されています。

車載関連機器の部材は売上の5割を占めており、需要や生産状況によって業績は大きく左右されます。
近年は電子部品の不足による生産停止や、物流費の増加によるコスト増など業績悪化リスクが高まっていましたが、足元の製品出荷は順調で業績は上昇中です。

今後は医療機器、自動車バッテリー(電池)ビジネス、EV自動車案件など、成長産業に位置づけられている部品を扱う同社は、成長が期待できそうです。

「シークス」は国内大手のEMS企業
主力製品は車載関連機器の部材。
売上、利益はコロナ後から順調回復。

海外売上比率が8割で円安に強い銘柄として期待。

配当金は15年連続増配中。株主還元意識も高く投資家に人気。

時価総額は22/9/15時点で「575億円」ということで中型株ですね。
PERは9.0倍と一般的には、割安水準です。

今回は「シークス」について

  • 今後は業績を伸ばせるのか?
  • 配当金を出し続けられる企業なのか?
  • 今は買いなのか?

分析していきたいと思います。
※各種指標の表はIRBANKより引用しています。

「シークス」のPER推移を見る


PERは過去比較では割安です。

この株の「割安度」の判断目安として過去のPER比較を行います。
過去のPERより低ければ「今は割安かも?」と検討します。

「シークス」のPERは9.0倍(22/9/15時点)。
過去の推移を見ると割安感があります。

過去の推移を見るとPERは15倍前後が目安です。
現在は業績見込みは好調ですが、投資家の期待はそれほど高くなく、割安感がある状態ですね。

「シークス」の配当利回りを見る

配当利回りは上昇中です。

「シークス」の配当利回りは9/13時点で2.96%です。
配当利回りは急上昇中です。

近年の配当利回りは上昇傾向でお得感がでてきていますね。
もうすぐ配当利回り3%に到達の見込みで利回りの魅力度があがってきています。

「シークス」の売上(上昇トレンドであるか?)

売上は上昇中です。

株価が上昇したり、配当金を出し続けるためには、
売上が少なくとも維持」できている事が1つの目安です。

「シークス」の売上は上昇傾向です。
2023年は2400億の予想で、2018年の過去最高に迫る水準で予想されています。
2020年のコロナショックで大きく落としていますがその後は回復傾向ですね。

売上は上昇傾向と言えるでしょう。

「シークス」の営業利益率(10%以上が理想)

営業利益率は低いです。

「売上-経費」の儲かり具合が「営業利益率」です。
「営業利益率が高い=儲かりやすい企業」と覚えておきましょう。

営業利益は4%〜7%を一般水準の目安としています。
「シークス」の営業利益率は3%程度です。

営業利益率は低いですね。
この営業利益率からみるに「シークス」は商社だと言って良いでしょう。

電子機器を部材の調達から製造まで実施している企業ですが、付加価値を利益に乗せることはできておらず、商社分の利益率しか残っていないように見えます。

「シークス」のEPS(一株当たり当期純利益)

EPSは上昇傾向です。

1株あたりの利益であるEPS。
「当期純利益÷発行済の株の総数」で計算します。

要はEPSが高いほうが稼ぐ力が高い企業ってことです。

EPSは個人的に「上昇中であるか、もしくは100円以上」が一つの目安です。

「シークス」のEPSは上昇です。
2022年の予想では126円とEPSはかなり復活してきています。

業績は復活してきていますね。

「シークス」の自己資本比率:高いほど良い(最低40%)

自己資本比率は低めの企業です。

自己資本比率(株主資本比率)は、
要するに借金をしていないか?を見る指標です。

「シークス」の自己資本比率は38%ほどです。
自己資本比率はあまり高くなく、有利子負債比率も75%と高めです。

部品を先に調達する商社的な事業を展開しているので、有利子負債を追加して手元現金を追加するビジネススタイルになっています。

長年同程度の自己資本比率で推移していますので、商社ビジネスだと思えばこのぐらいの自己資本比率も許容できます。

「シークス」の配当金

配当は増配傾向です。

配当金は「株を持っているだけで、その企業からもらえるお金」です。

「シークス」の配当金は15年連続増配中です。
毎年1円の増配と決めており、安定配当を目指している企業です。

2022年も1株31円と増配を継続予定です。

「シークス」の配当性向(儲けの何割を配当に出す?)

配当性向は30%ほど

配当性向は「稼いだ利益のうち、何割くらい配当金に使っている?」という指標です。
※市場平均は30%くらいです。

「シークス」の配当性向は30%ほどです。
配当性向は特に定めておらず、非減配にこだわっているように感じます。

業績が悪化した場合は配当性向があがる構造ですね。
株主にとっては業績が悪化しても減配しないというのは心強いです。

近年は少しずつ配当性向があがってきていますが、まだまだ増配余力はありますね。

「シークス」の営業活動によるキャッシュフロー

営業CFは安定傾向です。

「営業活動によるキャッシュフロー」は簡単に言うと
「商売によって入金されたお金はいくらか?」の数字です。

毎年プラスが理想です。

「シークス」の営業CFは安定傾向です。
しかし2021年はマイナスになっていますね。
製品の部材になる部品を大量に仕入れており、営業CFは大きくマイナスになっていることがわかります。

事業内容的に「仕入れ」が発生しており、一時的に大きくCFがマイナスになる企業のようですね。

「シークス」の現金等はいくらあるか?(業績悪化の耐性)

現金保有額は減少傾向です。

現金は業績悪化に対する備えや、事業活動の原資になります。
基本的に“現金など”は多い方が良いです。

しかしお金は「使ってこそ意味がある」ので事業投資に使うことも重要です。

「シークス」の現金は93億円ほどです。

総資産は1699億円ほどで現金比率は5.4%(10%〜20%が目安)。
現金比率は少ないですね。

現金保有高は減少傾向ですが、一時要因の部分もあるので、そこまで悲観的になることはないでしょうが、現金比率は過去に例をみないほど下がってきているので、注意深く見ておきたいところです。

「シークス」の当期純利益は上昇中か?

当期純利益は上昇傾向です。

「シークス」の当期純利益は上昇傾向です。
2022年は60億円台を回復する見込みで、業績が回復傾向と言えるでしょう。

まずは60億円を回復して再び成長軌道にのれるか注目ですね。

【まとめ】「シークス」は株主還元が高いが営業利益率が低めな商社・EMS企業

営業利益率が上昇傾向に推移できるかに注目です

シークスの財務分析のまとめです。

項目評価コメント
配当利回り2.72%
売上高上昇傾向
営業利益率3%
EPS(1株利益)上昇傾向
自己資本比率38%
1株配当15年連続増配
配当性向年によって変動
営業キャッシュフロー一時的に悪化だがOK
現金減少
当期純利益上昇傾向
数字は記事投稿当時のものです。評価は筆者の主観です。

総評としては「業績復活の低利益率企業」です。

産業的に、売上、利益は伸びていく可能性は十分あります。
電子機器の商社機能を持ち、製造機能まで持つ同社は魅力的です。
海外売上比率が高いので為替利益も狙えますね。

一方、営業利益率の低さは気になるところです。
営業利益率からみると事実上は商社と言えるでしょう。

今後は製造業務など、利益率の高いビジネスを作りあげていくことが課題と言えるでしょう。

【チャートは?割安?】「シークス」の今後の株価は?今は買い時かを予想する

最後に、記事投稿時点でのプラズマコイの投資判断です。

プラズマコイ

【中立】株価は下げ止まった感がある

調査時点(22/9/15)では株価は1,140円。

コロナショックで業績が悪化しており、株価も大きくさげていましたが、
最近は業績も回復しており、株価も戻してきています。

チャートとしては底固めをしており、今後上昇しそうな形をしています。
直近の決算も良く、PERも9倍と低めなため、大きく下落していくリスクは低いでしょう。
※今後決算をミスしない限りはですが

※本記事は固有の金融商品の購入を推奨する意図はありません。
※投資は自己責任でお願いします。

この記事が為になったと思ったら応援クリックをお願いします(^^)↓

本ブログは株式投資から経済を学ぶブログです。応援クリックをお願いします!

にほんブログ村 株ブログ 成長株へ にほんブログ村 株ブログ 高配当株へ ← ポチッと応援

【分析ツール】個別株の分析をしたい方におすすめの記事

この記事をご覧のかたで、個別株の分析に興味がある方におすすめのツールがあります。
マネックス証券の「銘柄スカウター」を使った株の分析方法を解説しています。

【高配当株の調べ方】買うべき企業かは「マネックス証券 銘柄スカウター」でチェック ※当サイトには広告が含まれます。 株式投資歴7年のプラズマコイです(^^) SNS: コイは年間100万円の配当金を目...

#PR マネックス証券なら「企業の分析」が簡単にできる

上の記事でも解説していますが、プラズマコイが分析用に使っているツールは
マネックス証券の「銘柄スカウター」です。

以下が気に入ってるところです。

  1. 企業の業務内容・サービスの概要がわかる
  2. 企業がどんな事業セグメントを持っているかがわかる
  3. 直近の決算短信などのIR情報にすぐにアクセスできる
  4. 各年度ごとや四半期ごとの業績推移が見やすい

銘柄スカウターはマネックス証券の口座を持つことで使えます。
そして口座開設は無料。無料なのでノーリスクです。
口座開設がまだの方はとりあえず開設しておいても損はないので開設しましょう。

本ブログは株式投資から経済を学ぶブログです。応援クリックをお願いします!

にほんブログ村 株ブログ 成長株へ にほんブログ村 株ブログ 高配当株へ ← ポチッと応援

関連コンテンツです。

日経平均が3万円を突破しても割安な12社をピックアップしています。

【厳選12選】利回り4%超えの高配当株!日経平均3万円超えでもまだ買える 株式投資歴7年のプラズマコイです(^^) SNS: ※当コンテンツは投資家バクさんのYouTube用に作ったコンテンツですの...

いまから学んでおきたい「新NISAの投資戦略」と注目の「増配株100選」を紹介しておきます。

【新NISA】増配株で高配当株投資!投資枠1800万円のポートフォリオ【増配株おすすめ100選】 株式投資歴7年のプラズマコイです(^^) SNS: PostPrim ※当コンテンツは投資家バクさんのYouTube用に作...

四季報「2023年新春号」のなかから、いま買っても良いと思える企業を選定しました。

【四季報でスクリーニング】いま買える高配当株12選!連続増配・非減配企業から探す優良企業 株式投資歴7年のプラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 2022年12月16日に会社四季報2023年新春号が...

2023年は日本株は金利上昇の影響をうけそうです。注目株を選定しました。

【金利上昇】2023年は地銀株&不動産株に注目!おすすめ日本株29選【高配当株をブログで紹介】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 2022年12月20日、日銀が長期金利の許容変動幅を従来のプラスマイ...

プロが紹介されていたNISAで買いたい高配当株をチェックしてみました。

【NISA拡大で注目】NISAで狙いたい高配当銘柄44選を調査【評価方法を伝授します】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim ネットニュースの「NISAで狙いたい高配当銘柄をピックアップ 配当性...

2023年の注目テーマ地銀株の特集です

【2023年 注目テーマ】地方銀行74銘柄 おすすめ高配当株28選。地銀の将来性も考察。 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 今回は「2023年の注目テーマ」になりそうな「地方銀行(地銀)」を調...

4万円台以下で買える高配当株を集めました。

【超気軽に買える】4万円台以下で買える高配当株候補14選【注目8銘柄をピックアップ】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 先日、高配当株のはじめかたの記事を投稿しました。 https:...

5万円台〜10万円台で買える高配当株を集めました。

【気軽に買える】5万円〜10万円で買える高配当株銘柄50選【注目23銘柄をピックアップ】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 先日、高配当株のはじめかたの記事を投稿しました。 https:...

円安時に業績を伸ばしそうな日本株の好業績企業をピックアップしています。

【円安銘柄】海外売上比率50%以上の増益・増配株60銘柄【日本株】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 今回は日本株で「海外売上比率が50%以上」の有望企業をチェックします...

日本株で連続増配の優良企業60銘柄と、注目の企業をピックアップしました。

「連続増配株ランキング」ベスト60銘柄[2022年]の割安度をチェックする【10年以上 連続増配】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 更新履歴 2022.3.29 公開2022.11.10 割安度を見...

連続増配株を中心に野球の打線を組み攻守のバランスの良い高配当ポートフォリオを作りました。

【決定版】高配当株で野球の打線を組む【攻守に優れた高配当株9選+12選】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 先日、投資家バクさんが高配当株で野球の打線を組んだ場合の企業イメージ...

高い営業利益率と高い自己資本比率を持つ安定高配当株を紹介しています。

【優良銘柄】高い営業利益率&高い自己資本比率の高配当株30選 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 今回は、営業利益率が高く、自己資本比率も高い、業績・財務が安定してい...

2022年の投資環境を考慮したディフェンシブなおすすめポートフォリオを紹介します。
2023年も継続して使えると思ってます。

【2022年の投資戦略】攻守のバランスを考えた「日本株30選」厳選ポートフォリオを設定【今年の主軸銘柄】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 2022年は米国の長期金利が上昇するため「バリュー株の年」と言われて...

割安高成長の銘柄をピックアップしました。

【2022年はバリュー株の時代】割安で高成長の日本株32選【テンバガー候補の注目10銘柄】 プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 2022年は米国の長期金利が上昇するため「バリュー株の年」と言われて...

高齢化社会に向け成長しそうな注目企業の特集です。

【高齢化社会】看護・介護・通院関連の企業株おすすめ13選!いま投資すべき会社を探す! プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim 日本は年々高齢化が進んでいる高齢化社会の国として有名です。そんな中、...

オンラインストアが人気のいま、業績が伸びそうな「物流・倉庫関連」注目企業をピックアップしました。

【おすすめ】物流・倉庫株19選!注目の物流関連の銘柄をピックアップ プラズマコイです(^^) SNS: PostPrim ※2021年8月14日に公開した記事を2022年8月21日版に更新し...
関連記事はこちら